遺産分割の方法は、大別して
①遺言があれば、遺言通りに相続する
②遺言がなければ、法定相続分通りに相続する
の2つに分類出来ます。
しかし、実際に相続が発生した場合、遺言書があっても「納得できない」とか、「遺留分を求めたい」「認めない」というようなことで争いになることがあります。
また、遺言書がない場合に、法定相続分通りに分けることについて不平や不満が出てくることもあります。
これらの遺産分割問題を解決する方法は、以下の流れになります。
遺産分割協議(当事者間の話し合い)の場面では、相続人間の感情的な対立が激しくなり、いわゆる「泥沼化」するケースも見受けられます。
「泥沼化」する前に、法律の専門家から調停や審判を見越したアドバイスを受けることをお勧めいたします。
また、調停や裁判になった場合でも、単に自分の主張を展開するだけでは、調停委員も裁判官も味方してくれません。
法律を知った上で、適切な主張を展開することが、自分の利益を守ることになります。
調停や審判の場合も、事前に弁護士に相談されることをお勧めします。
遺産分割協議とは、相続人間で相続財産の分割方法を話し合うことです。
相続人全員が一同に集るのが一番良いと言えますが、電話や手紙を使うこともできます。
また、弁護士を代理人とすることもできます。
遺産分割協議とは、要するに交渉です。
当人同士が主張をぶつけ合うと、絡まった糸を引っ張った時のように、かえって収拾がつかなくなり、数年とか10年以上も対立したまま、ということにもなりかねません。
ポイントは決着がつかなければ、調停・審判に持ち込まれることです。
弁護士の立場から言うと、調停や審判の場合の展開をいかに見越して、協議を進められるかが弁護士の腕の見せ所と言えます。
当事務所では、遺産分割協議に関して、
①弁護士が代理人として交渉する
②遺産分割協議に際して、事前に調停・審判を見越したアドバイスを行う
という2パターンでサポートさせていただいております。
遺産分割協議に際して、不安や疑問点をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。
遺産分割協議がまとまらない場合や話し合いに参加しない相続人がいる場合は、相続人は家庭裁判所に、その分割を請求することができます。
遺産分割事件は、調停を経ずにいきなり審判を申し立てることもできますが、通常は先ず、調停の申立を行います。
調停が成立しなければ、審判に移行することになります。
調停の申立ては相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に対して申立てします。
調停は、裁判官と2名以上の調停委員から成る調停委員会の立会いのもとで行われます。
調停委員会は相続人の話し合いが円満に行われ、客観的に妥当な結論となるように方向性を示したり、アドバイスをしてくれます。
調停が成立すると合意内容を記した「調停調書」が作成されます。
調停調書は確定判決と同じ効力を持ち、これに基づいて遺産の分割が行われます。
調停での話し合いがまとまらないと調停は終了しますが、改めて審判の申立てを行わなくても、審判手続きに移行できます。
審判では裁判官が各相続人の主張を受け、相続財産の種類や性質、相続人の生活事情などを考慮した上で、相続分に応じた妥当な分割方法を定め、審判を下します。
審判には法的強制力がありますので、その内容にしたがって遺産の分割を行います。
審判の内容に不服がある場合、2週間以内に高等裁判所に対して、『即時抗告』の申立てを行い、裁判上での争いに移行します。
調停や審判では、単に自分の主張を展開するだけでは、調停委員も裁判官も味方してくれません。
調停委員や裁判所を味方につけるには、法律を知った上で適切な主張を展開することが、自分の利益を守ることになるのです。
尚、およそ遺産分割の調停や審判の60%以上は、弁護士がついています。
相手方に弁護士がついたのを見て、慌てて弁護士を探すケースも多いようですが、やはり当初から弁護士に相談して進めておいた方が間違いがないと思います。
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